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アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、鼻に入った異物を外に出そうとする反応が過剰になり、鼻炎症状が起こる状態をいいます。スギの花粉やダニ・ハウスダストなどが原因として多いといわれており、特に花粉を原因とするものを花粉症とよびます。

初期症状

鼻水(水っぽい)、鼻づまり、くしゃみが3大症状です。眼のかゆみ、涙、充血などの眼の症状が現れるアレルギー性結膜炎を合併することがあります。その他、のどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が出ることがあります。

治療方法・予防方法

・抗原(原因物質)の除去と回避
例えばダニの場合、室内は掃除機で週2回以上掃除し、寝具はダニを通さないカバーをかけ清潔に保ちましょう。スギ花粉は飛散情報に注意し、換気に気をつけ窓・戸はなるべく閉めて、外出時はマスク・眼鏡を着用し、帰宅時は衣服や髪をよく払い洗顔、うがいをして鼻をかむと良いでしょう。

・薬物療法
鼻を刺激する物質の働きを防ぐ飲み薬、鼻にかけるスプレーの薬、漢方薬などがあります。鼻水・くしゃみ・鼻づまりの症状の出かたによって選ぶ薬を変えます。眼の症状には点眼薬を使います。

・アレルゲン免疫療法
原因となる抗原のエキスを注射や舌下から体に入れて、抗原に対する反応を弱めていく方法です。2~3年の治療が必要ですが、治療の中で唯一、アレルギーを治す可能性があり、約70%に有効と考えられています。ごくまれに副作用も出現します。

・手術療法
鼻の粘膜を切除して小さくしたり、レーザー手術で粘膜を焼いたりして、反応を弱くする手術があります。

その他

アレルゲン免疫療法はここ数年で広く行われるようになりました。スギ花粉の飛散が終わる5月を過ぎて、6月からはスギ花粉の免疫療法を開始するのに適した時期です。花粉症の症状が強い方は、この機に治療をご検討ください。

佐渡総合病院
耳鼻咽喉科・医長
池田 良

掲載日:2022年05月02日