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気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道(気道)に慢性的な炎症が起こる病気です。炎症により気道は狭くなり、また炎症の起きている気道はとても敏感でわずかな刺激でも狭くなり、発作を起こします。

初期症状

咳や痰、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)などの症状があり、夜間や早朝に出やすいのが特徴です。

治療方法

喘息の治療には、「発作を予防するための治療」と「発作時に行う治療」があります。喘息発作を予防するためには、気道の慢性炎症を抑えることが重要で、基本の治療薬は吸入ステロイド薬です。最近は、吸入ステロイド薬に長時間作用性の気管支拡張薬を組み合わせた配合薬が使用されることが多いです。喘息の重症度に応じて吸入量を調節したり、他の薬を追加したりします。もし喘息発作が起きたら、即効性のある短時間作用性気管支拡張薬を吸入しましょう。重度の発作が起こった場合は速やかに病院を受診して下さい。

予防方法

喘息の原因・誘因には、ダニやホコリ、ペットの毛、花粉、カビなどのアレルギーの原因となるアレルゲンとタバコの煙や感染症、ストレス、気候や気温の変化などのアレルゲン以外のものがあります。これらの誘因をできるだけ遠ざけることが発作の予防になります。

その他注意すべきこと

気道の慢性炎症を放置すると気道が固く狭くなり元に戻らなくなり、喘息の難治化につながります。症
状がないときでも「発作を予防するための治療」を毎日続けることが大切です。

新潟医療センター
内科部長
杵渕 進一

掲載日:2020年09月07日