季節の病気

食中毒

気温が高くなるこの季節、普段の生活で注意したいのが食中毒です。食中毒は「食品に起因する胃腸炎・神経障害などの中毒症の総称」と定義されており、その原因には、①細菌、②ウイルス、③自然毒、④化学物質、⑤寄生虫、などがあります。そして、その多くは、急性の胃腸障害(おう吐、腹痛、下痢などの症状)をおこします。夏場は、細菌性の食中毒が発生することが多く、代表的なものとしては、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌(O-157など)などがあります。特に今年は、コロナウイルスの影響で、テイクアウトのお弁当やおかずをご家庭でも食べられることが多くなっているので、食中毒には要注意です。

初期症状

細菌性やウイルス性の食中毒は、腹痛、下痢、おう吐などの消化器の症状に加えて、時に発熱も見られます。症状は数日から二週間程度続き、自然に治癒することも多いのですが、出血性の下痢をきたしたり、大量の下痢や下痢が長期に続く場合は、重症化することがあり、特に乳幼児や高齢者などは命の危険性もあります。毒キノコやフグなどの「自然毒」では呼吸困難・けいれんなどの神経症状、アニサキスなどの「寄生虫」では、みぞおちの痛みが見られます。

予防・治療方法

厚生労働省から、食中毒を防ぐ3つの原則が示されています。それは細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことになります。具体的には、「つけない」ために、食品を取り扱う前には必ず手洗いをすることや、生肉を扱う場合は箸を分ける必要があります。「増やさない」ためには、食品の低温での保存と、食品を早めに食べることがすすめられます。最後にほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、「やっつける」ためには、加熱処理をすることが大切です。

その他注意すべきこと

おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。医師の診断を受けずに、市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けましょう。
また、食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生していますので、もう一度自分の生活様式を振り返ってみて、3つの原則にしたがって、食中毒を予防しましょう。

長岡中央綜合病院
副院長
佐藤 祐一

掲載日:2020年07月07日