季節の病気

仮面うつ病にご注意

夏の体調不良と言えば、暑さが続くことでの倦怠感や食欲不振、眠り難さ、易疲労感などが現れる「夏バテ」が定番です。まさに今このような症状で悩まれている方もいらっしゃるでしょう。しかし‥‥「夏バテ」と思い込んでいるその不調、実は「仮面うつ病」かもしれません。

仮面うつ病とは?

「仮面うつ病」は「うつ病」の一種です。『うつ病が、身体症状という「仮面」をつけてやってくる』ことからこの名前が付けられました。
全身の倦怠感、睡眠障害、食欲不振、身体の各部の痛み、性欲減退、動悸や息切れなどの身体症状が主です(「夏バテ」の症状にそっくりです!)。しかし、辛い精神症状や深刻な悩みを体験することは殆どありません。このため、本人ですら「うつ病」であることに気付き難いのです。ですがその発症の原因は、仕事や生活上の変化やストレスなどの心的な面の影響が窺えます。

夏場の「仮面うつ病」はより一層発見し難い

夏の暑い時期のちょっとした不調や意欲減退の原因を、私たちは安易に「夏バテ」と結びつけて考えがちです。ですが、もしかしたらその中に「仮面うつ病」の方もいらっしゃるかもしれません。夏は初期の「仮面うつ病」を見逃し易い時期と言えるかもしれません。ご存知の通り、うつ病への対処は最善が予防、次善が初期の治療です。

仮面うつ病」と「夏バテ」の違いは‥‥?

両者の症状は共通する部分が多いですが、両者を見分けるポイントは以下の二点にあるかと思います。
①症状出現前後に仕事や生活上で自身にとって負担と思われるような変化があった(暑さを除く)。
②暑い時期を過ぎてしばらく経過したにも関わらず、不調に改善の兆しが感じられない。
この何れかに該当する場合は「仮面うつ病」の可能性があるかもしれません。

仮面うつ病」への対処

①仕事や生活環境の改善、負担と思われるものとの関わり方の変更や工夫を試みる。
②積極的な心身の休息に努める。
③場合によっては精神科または心療内科などの受診も検討してみる。
その体調不良、単なる「夏バテ」と片付ける前に「仮面うつ病」の可能性についても少し考えてみてください。
あなたの「体」が発する「心」のSOS。これに耳を傾け、より健康な生活を目指してください。

真野みずほ病院
臨床心理士
梅川 春樹

掲載日:2019年08月24日