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サルコペニア

現在日本には要介護の人が約700万人いるといわれ増加し続けています。要介護の原因は転倒や骨折、関節の痛みが多く、介護予防のためには筋力を維持することが大切です。筋肉減少症=サルコペニアを予防しましょう。

初期症状

サルコペニアは「筋肉減少症」です。筋肉減少と聞くと足腰の衰えが想像しやすく、変形性膝関節症や脊柱管狭窄症などの病気の症状に筋力がとても大事なことが分かっています。しかし、サルコペニアはそのような病気がなくても筋肉が減少してしまう状態で、気づかないうちに呼吸をするための筋肉、食べ物、水分を飲み込むための筋肉、排尿の筋肉などの筋力低下も年齢を重ねるほどに進んでしまいます。これらの機能の低下は幅広く健康な生活を脅かすことになるのです。

治療方法

サルコペニアの予防、治療は運動(筋力トレーニング)と食事(栄養)です。いずれも特効薬はなく地道な努力が大切です。過度な運動はかえって痛みや疲れの原因になってしまいますので、少ない負荷でも長期間継続することが重要です。また、高齢になると普段食べつけない食品を食べたり、急に量を増やすことはできなくなります。普段からたくさんの品目をバランスよく食べることを心がけましょう。生活習慣を継続するには充実感が必要だと思います。楽しくサルコペニアを治療、予防することが理想です。

その他注意すべきこと

サルコペニアが気になった方はセルフチェックをしてみましょう。サルコペニアの簡単なチェック方法を一つ紹介します。「ゆびわっかテスト」というものです。筋肉は使わないでいると、あっという間に痩せてしまいます。ケガや病気のあとに筋肉が痩せたままになってしまっている人も多いのではないでしょうか。

小千谷総合病院
整形外科
古賀 寛

掲載日:2023年11月01日