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骨粗鬆症

骨粗鬆症とは
骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。原因は加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などで、高齢になると頻度が増えます。高齢になると転びやすくなるので、背骨、股関節、手関節の骨折リスクが上がります。また、転倒しなくても、ものを持ち上げる動作や、かがんだ姿勢での作業で背骨がつぶれる骨折(圧迫骨折)を生じることがあります。

診断法

骨量測定検査で判定します。痛みを伴わず数分で測定できる検査で、腰椎や大腿骨近位部で測ります。

予防

骨の強さにはカルシウムが重要です。食事では小魚、牛乳、豆腐、ひじき、緑黄色野菜を多く摂ることが勧められます。カルシウムを骨に取り込むには魚類やキノコ類に含まれるビタミンDが必要です。骨質の維持に有効なビタミンKは納豆や緑黄色野菜に含まれます。運動も骨の維持に必要なだけではなく、筋肉を維持して転倒を避けるためにも大事です。背筋、バランス力が特に重要です。

治療

骨粗鬆症性骨折は次から次へと生じることがありますので(ドミノ骨折)、骨粗鬆症と診断された場合は治療が必要です。
治療薬には骨の吸収抑制、形成促進のタイプがあり、状態に応じて使い分けられます。効果は骨量測定、血液検査(骨代謝マーカー)で判定します。

そのほかの注意

骨折の原因は転倒が多いです。手すりの利用、杖の使用、床の整備、滑りやすいスリッパや靴下をはかないなどの注意も大事です。

糸魚川総合病院
副院長・整形外科部長
長田 龍介

掲載日:2025年08月01日