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手足口病とヘルパンギーナ

手足口病とヘルパンギーナは乳幼児を中心に、夏季に流行する感染症です。
エンテロウイルス属のウイルスが原因で、数年に一度、大流行が起きています。

初期症状

手足口病は発疹、口内痛、食欲不振、嘔吐、発熱などが出現します。その名前の通り、手足や口の中や周りに水ぶくれ状の発疹が現れます。
ヘルパンギーナは突然発熱し、口の中やのどが赤く腫れて、水ぶくれができます。手足口病よりも発熱、頭痛、咽頭痛が強いことが多いです。

治療方法

抗ウイルス薬はないため、解熱剤等で苦痛を軽くする治療を行います。咽頭痛が強く、水分が十分摂れない場合、脱水症になる可能性があります。そのため、少量でよいのでこまめに水分を与える、やわらかく、うす味の食事にするなどの工夫をするとよいです。
飲食できず、重度の脱水症となった場合は、点滴や入院が必要です。

予防方法

エンテロウイルスは、咳やくしゃみによって感染する飛沫感染に加えて、便中に長期間にわたり排泄されるため、接触感染することもあります。
アルコール製剤は効果が乏しいため、石鹸と流水による手洗い( 特に排便後)をしっかり行いましょう。

その他注意すべきこと

手足口病、ヘルパンギーナともに、稀に脳炎・脳症や髄膜炎、心筋炎等を合併することがあります。そのため、けいれんや意識がおかしい、ぐったりしているなどの症状に注意が必要です。

柏崎総合医療センター
小児科・医長
太刀川 潤

掲載日:2022年03月18日