季節の病気

強迫症

特に季節の病気というわけではないのですが、今回は強迫症を取り上げてみたいと思います。知っているようで詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。ちなみに脅すという意味の「脅迫」ではなく、無理強いされるという意味の「強迫」です。

疾患概要

意味がない、過剰だと分かっているのに特定の事柄が気になって仕方がなくなるという強迫観念と、その強迫観念を中和しようとする強迫行動によって成り立ちます。このテーマは人によって様々ですが、「手が汚れているのではないか」という強迫観念に伴い何度も手洗いを繰り返したり、「鍵を閉め忘れたのではないか」という強迫観念に伴い何度も鍵の確認に戻ることを繰り返したりします。こう聞くと少し気にし過ぎているだけと思うかもしれませんが、無駄だと分かっているのにやめられない思考や行動で1日の大半を費やしてしまい、本人の苦痛も大きく日常生活や社会生活に支障をきたしてしまうことのある疾患です。

治療方法

治療法には認知行動療法と薬物療法があります。認知行動療法では曝露反応妨害法の効果が高いとされています。これは例えば「手が汚れているのでは」という強迫観念と手洗いを繰り返す強迫行動を持つ患者さんでは、あえて手を汚すという曝露を与え、手洗いをしないという反応妨害をする治療法です。当然最初は不安や苦痛を感じますが次第にそれらが軽減することを実感してもらい、強迫観念と強迫行動の悪循環を断つことを目的とします。薬物療法ではうつ病の治療でも用いられる薬としてSSRIの有効性が知られています。

その他注意すべきこと

強迫症の治療には疾患のメカニズムを患者本人と家族が理解するということが重要です。
気になる症状があったら精神科にご相談ください。

真野みずほ病院
病院長
井桁 裕文

掲載日:2022年03月18日